御当地通

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*以下の記事は2006年4月発行のDBJ 経済ミニレポート(鹿児島)よりの抜粋です。
オリジナル(PDF)はこちらよりご覧頂けます。

「ご当地検定」と地域振興
〜これから発揮される「かごしま検定」の効果〜

「ご当地検定」と地域振興〜これから発揮される「かごしま検定」の効果〜

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中村  聡志

日本政策投資銀行南九州支店  企画調査課長

「かごしま検定」を振り返る

2006年4月16日、鹿児島市内で、鹿児島商工会議所主催の「かごしま検定(正式名称:鹿児島観光・文化検定)」が実施された。これは、鹿児島に関する自然・歴史・文化・地域・産業経済などの知識を、テキストやセミナーを通じて学習し、試験でその成果を問うものである。実施の目的としては、「九州新幹線の全線開業を5年後に控え、鹿児島では、魅力ある街づくりとともに、全県的な観光に向けたソフトの推進が求められて」いるとの認識の下、「県内外を問わず、多くの方々が、鹿児島への関心を持っていただくとともに、一人でも多くの鹿児島ファンを増やしていく」iことであるとされた。

検定レベルは難易度によって3段階に分かれているが、今回は第1回ということもあって「かごしまマスター試験(初級に該当)」のみであった。今後、順次「鹿児島シニアマスター試験(中級に該当)」、「上級試験(名称未定)」の試験を実施する予定であるii。合格者に対しては合格通知書が交付される。

受験者数は当初予想を大幅に上回る約2,300人、事前に開催された受験対策セミナーも2日間で約1,000人が詰めかけた。また、テキストも既に約6千部販売された。地元マスコミも大々的に取り上げ、ちょっとしたブームが生じた。

今回の試験の申込者(2,459人)の属性を鹿児島商工会議所の資料でみると、30代から50代までがそれぞれ20%強を占めているところが特徴的である。また、エリア別にみると、鹿児島市内からの申込がおよそ4分の3を占めている(図表2)。また、社員に受験を奨励する企業もあり、受験者数の増加に寄与したといわれている。

合格率などは現段階では明らかにされていないが、受験者の反応もよく、新聞紙上でも「県内のことをもっと知りたい、と挑戦した。離島の知識など新たな発見もあった。ふるさとを再発見するいい機会」iiiといった受験者の声が紹介されていた。

このように「かごしま検定」は大ヒットでスタートした。実現に奔走した事務当局の方々の苦労を目の当たりにしている筆者としては、大変喜ばしく思っている。

本稿では、この「かごしま検定」をはじめ、全国で注目されている「ご当地検定」について、その特徴と今後の方向性について、地域振興のツールという観点から検討してみることとしたい。(なお、筆者は「かごしま検定」にテキスト作成などを通じて関与しているが、本稿での見解は、あくまで筆者個人のものであることを予めお断りする。)

「ご当地検定」とは

この「かごしま検定」は、最近各地で次々と生まれている「ご当地検定」の一つに数えられているが、それではそもそも「ご当地検定」とは何なのであろうか。

「ご当地検定」とは、一般的には、地域の観光協会や商工会議所などが実施する、地域の歴史、自然、文化、観光、産業などについての知識に関する試験のことivを指している。

「ご当地検定」の草分けとされるのが、(財)東京観光財団と東京商工会議所が2003年から現在まで、計3回実施している「東京シティガイド検定」である。第1回検定では東京の自然、歴史、産業など全8分野から出題され、約1,100人が応募し、約790人が合格した。また、翌2004年には京都商工会議所が「京都・観光文化検定(通称京都検定)」を実施し、第1回検定では全国から約9,800人が受験したということで話題になったv。この京都検定の成功がきっかけとなって「ご当地検定」は急速な盛り上がりを見せ、以降年々実施される検定の数は増加、現在はブーム的様相を見せている(図表3)。

これらをみると、「ご当地検定」には大まかにいって3つの類型があると考えられるvi。